ビカクシダの水苔を覆うように展開する貯水葉。
成長点を基準に、左右対称に展開する様子は美しいが、時に互いが干渉してうまく展開しないことがある。
今回は「貯水葉の重なり方がおかしい時の対処方法」をサクッと紹介する。
重なり具合の状態による2パターンの例を紹介しているので、貯水葉を修正して、整った株姿に導けるようにメンテナンスする際の参考にしてもらいたい。
正しい貯水葉の展開の仕方おさらい

まずは、正常に貯水葉が展開している例を紹介する。
このように成長点の左右から1枚ずつ交互に展開して、新しい貯水葉が1つ前に展開した貯水葉を覆うように成長していれば問題ない。
貯水葉の重なり方がおかしい状態

対して、貯水葉の重なりの順序がうまくいかないことがある。
このように、新しく展開中(成長中)の貯水葉が、1つ前に展開している貯水葉の下に潜ってしまっている。
今回は、この貯水葉の重なりを修正していく。
症状によって「貯水葉が下に潜ってしまっている場合」と「貯水葉が潜りそうな場合」を紹介するので、適宜、手持ちのビカクシダの様子を観察してメンテナンスしてもらいたい。
貯水葉が下に潜ってしまっている場合のメンテナンス方法

このように、貯水葉が完全に下に潜ってしまっている場合は、最前面の貯水葉の重なっている部分をカットして対処していくことになる。
貯水葉の重なり具合を確認する

最前面の貯水葉が重なっている部分を捲り、最新の貯水葉がどの程度まで展開しているか確認する。
表面から見た目以上に、下に展開している貯水葉が大きく、深い位置まで展開している場合があるので、できるだけ目視で確認すると安心。
カットラインを決める

重なり具合を参考に、最前面に重なっている貯水葉のカットラインを決める。
今回は、画像の赤い点線の位置でカットする。
- ワンポイント
- カットラインの目安は、下に展開中の貯水葉の大きさよりも1cmくらい余裕をもった位置にする。
カットラインに沿って、最前面の貯水葉をカットする

成長点や下に重なっている展開中の貯水葉を傷つけないように注意しながら、カッターなどで最前面の貯水葉の重なり部分をカットする。
- ワンポイント
- 貯水葉の葉脈は繊維状になっているため、一度で切り取ろうとせず、少しずつ繊維を切り離していくイメージで刃を入れていくと切りやすい。

最前面に重なっていた貯水葉がカットできて、展開中の貯水葉が露出したら完了。
貯水葉が潜りそうな場合のメンテナンス方法

前項で紹介するよりも軽度の場合がこちら。
貯水葉が潜りそうな場合、左右の貯水葉がちょうど干渉しあっているくらいのタイミンでは、薄いシート状のものを挟んで、正しい順序になるように導くことで対処する。
シートを挟み込む位置の確認

貯水葉の重なっている部分を横から見て、シートを挟み込む位置を確認する。
挟み込むシートは、薄いシート状のものであれば名刺やショップカードの紙類でも問題ないが、水やりによって劣化しやすいので「クリアファイルをカットしたもの」「梱包ラップ」といった、水に強い素材のものがおすすめ。
貯水葉の重なった部分にシートを挟み込む

展開中の貯水葉を傷つけないように注意しながら、シートを挟み込む。今回は梱包ラップを用いて、貯水葉の重なりが正しい順序になるように導く。
- 挟み込むシートの素材について
- ビカクシダの品種によっては、貯水葉に厚みがあり、固い品種(スーパードワーフ系やFSQ系)がある。そのような品種の場合は、クリアファイルや下敷きなど強度がありつつ薄いシート状の素材を用いると良い。

1〜2週間で貯水葉の重なりが正しく展開できているのが確認できたら、シートを外す。
おわりに:日々の観察で早めの対処を

今回は「貯水葉の重なり方がおかしい時の対処方法」を、重なり具合の状態による2パターンを例に紹介した。
品種や板付の仕立て方のクセによって、貯水葉ターンの度に発生しやすい株もあれば、一度もこのようなことが発生しない株もある。
日々の観察で、なるべく早期発見してメンテナンスするに越したことはない。
メンテナンスにかかる時間はいずれも5分もかからないので、気づいた時にすぐにお世話して、ぜひカッコいい株姿にお育ていただきたい。



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